ムジカノーヴァ06月号に演奏会批評が掲載されました。

▼以下記事内容▼

〜関東の演奏会から〜  高木知寿子

ポーランド・シレジア・フィルハーモニー管弦楽団の京都公演では、その芸術監督であるミロスウァフ・ブウァシュチックの指揮、高木知寿子のピアノによって、≪序曲「コリオラン」≫、≪ピアノ協奏曲第5番「皇帝」≫、≪交響曲第3番「英雄」≫というオール・ベートヴェンによるプログラムが演奏された。当誌の性格上、ここでは、≪皇帝≫のみについてコメントさせていただくことにしたい。
高木は、京都市立芸大に学び、ソロ、オーケストラとの共演、室内楽など、幅広い領域で精力的な演奏活動を継続してきたピアニストであるが、強靭なタッチとパワーのあるテクニックを携え、高い集中力を持続させたブリリアントな演奏聴かせる彼女は、≪皇帝≫というダイナミックな大作を得てその底時からを見事に発揮させたオーラの強い熱演を楽しませてくれた。彼女の自信に満ち溢れたソロは、冒頭から強い輝きを放っており、聴き手を惹きつけたが、このヨーロッパのおけと常に互角に渡り合い、時にはオケを自分のペースに引き込んでしまうほどのエネルギーを内蔵した彼女の演奏は、随所にスリリングで緊迫した魅力を煌めかせていた。意識的にテンポを抑制し、クライマックスに向けて大きなエネルギーを蓄積していったフィナーレなどは、なかでも彼女の面目躍如といえる一場面であり、このピアニストのスケールの大きい才能を強く印象づけていた。筆者は、少しも時間の存在を意識することがないままに、この大作を聴き終えてしまったのである。

(3月10日、京都コンサートホール大ホール)柴田龍一

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