ムジカノーヴァ10月号に演奏会批評が掲載されました。

▼以下記事内容▼

〜関東の演奏会から〜  髙木知寿子

堀川高校音楽科を経て京都市立芸大に学んだ髙木知寿子は、国内外のオーケストラとの共演、リサイタル、室内楽など、幅広い領域で精力的な演奏活動を続けているピアニストであるが、彼女とワルシャワ・フィルのトップ・メンバーによって2008年に結成された髙木知寿子ワルシャワピアノトリオの今回の演奏会では、フランクの≪ヴァイオリン・ソナタ≫、ブラームスの≪チェロ・ソナタ第1番≫、パヌフニクの≪ピアノ・トリオ≫へ単調、平野義久の≪ベートーヴェン シンポジウム≫というボリュームのある曲目が演奏された。
髙木は、強靭なタッチとパワフルなテクニックをもち、オーラの強い表出力の豊かな表現を聴かせるピアニストであるが、前半の2曲のソナタでは、それぞれで彼女とワルシャワの名手たちが完全に互角に力強く絡み合い、非常に聴きごたえのある共演を繰り広げていた。フランクでは、ヴァイオリンのツェギエルスキの枯淡の色合いも感じさせる渋みのある語り口が印象深く、ブラームスでは、チェロのプトフスキが若々しく力強い演奏を聞かせていたが、髙木は、前者では程よく淡々とした表現で相手に巧みに呼応し、後者では、逆に立体感のあるダイナミックな表現でバランスの良い共演を実現させていた。悲劇的な力作といえるパヌフニクでは、ドラマティックでスケールの大きい表現が作品の特徴をきわめてリアルに描出する結果を生んでいた。今回が初演にあたる平野作品は、作曲者の強固な問題意識が結実した、ただならぬ難曲であったが、3人は、緊迫感にとんだ白熱的なアンサンブルを形成し、エネルギッシュで輝かしい熱演を展開していた。

(7月7日、京都府立府民ホール アルティ)柴田龍一

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