髙木知寿子 ワルシャワ ピアノトリオ/メッセージ・オブ・ソウルⅡ ~心のメッセージ~
1. ふるさと
2. パガニーニ /と ソナタ イ短調 作品2 第6番(Vn,Pf)
3. アメイジング・グレイス(Vc,Pf)
4. ショパン / ノクターン 第20番 嬰ハ短調 遺作
5. シューマン / 「子供の情景」作品15 より 第7番 “トロイメライ”
6. スメタナ / 「我が祖国」より”モルダウの流れ”
7. ベートーヴェン / ピアノソナタ第8番 ハ短調 作品13『悲愴』第2楽章
8. ラフマニノフ / 悲しみの三重奏曲 第1番 ト短調
9. クララ・シューマン / ピアノ三重奏曲 ハ短調 作品17
第1楽章 “アレグロ・モデラート”
10. エルガー / 愛の挨拶 作品12
・このアルバムについて 柴田龍一
髙木知寿子氏は、非常に誠実な姿勢で音楽作品に対峙し、深い愛情をもって作品の魂やエッセンスを感じ取り、豊かな共感に溢れるヒューマニスティックな演奏を聴かせるピアニストである。京都在住の彼女は、主に関西で演奏活動を繰り広げているため、筆者は残念なことにこのかけがえのないピアニストの存在を識ることのないまま、長い時間を過ごしてきた。しかし、一昨年の秋にあるチャンスから彼女の演奏に接した筆者は、そうしたこのピアニストの演奏姿勢に心を動かされ、思い掛けない感動をあじわうことになったのである。髙木氏は、芯のある美しいタッチを携え、自己のナイーヴな感性が感じ取った作品の真実の感情を、一音たりともおろそかにしない強いこだわりをもって、刻明かつ真摯に語り継いでいくアプローチを打ち出していた。そのような彼女の演奏に出会った筆者は、これはまさに切れば血の出るような音楽を聴かせるピアニストだという確かな実感を抱いた。今回リリースされる彼女のこのアルバムは、ヴァイオリンのツェギエルスキー、チェロのコシュラーチュというワルシャワ・フィルの二人のトップ・プレイヤーたちとの共演によって、ヴァラエティに富んだ10曲を手掛けた内容になっている。そして、髙木氏が深い信頼を寄せている二人のポーランドの名手たちは、同様に彼女のピアノに深い信頼と共感を示して密接に寄り添い、有機的で密度の高いアンサンブルを実現させており、熱気に溢れる感情移入の深い妙演を展開している。これは、本物の音楽に触れたという手応えを聴き手に与えずにはおかない演奏といってよいだろう。最後になってしまったが、この価値ある内容の演奏が生まれたもう一つの理由として、白井淳子氏の細部に至るまでじっくりと推敲を重ねた入念で誠意のある編曲が演奏者たちを触発したであろう事実も、見逃すことはできない。
高木知寿子ワルシャワピアノトリオ
高木知寿子【Pf】Chizuko Takagi
ピオトル・ツェギエルスキー【Vn】Piotr Cegielski
(ワルシャワ・フィル=コンサートマスター)
カジミール・コシュラーチュ【Vc】Kazimierz Koslacz
(ワルシャワ・フィル=コンサートマスター
- 制作・発売
- アイエムシーミュージック (http://www.imc-music.net)
- 録音日
- 2011年7月15日
- 録音会場
- エルセラーンホール
- レコーディングエンジニア
- 瀬口 晃平・今 明日香
- ピアノ調律
- 菊池 和明
- カヴァーデザイン
- 吉田 淳一 http://www.jy-design.jp
- 定価
- 2,500円 (IMCM-2012)
- お問合せ
- レイディエンス音楽事務所
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